アーキテクチャ
Formulon は 1 つの計算コアと、その周りを薄く包むパッケージング層で構成されています。WASM / Native Node / Python / CLI / MCP / formulon-cell のいずれも、同じ C++17 コアを C ABI 経由で利用します。
用語: C ABI 層
C++ 以外のホストにワークブックモデル・評価器・入出力を公開するフラットな C 関数インターフェースです。互換性を保つインターフェースはここだけで、バインディングはこれを呼び、実装はコア側にあります。詳しくは バインディング を参照してください。
用語: ワークブックモデル
開いたワークブックを表すメモリ上のデータです。シート、セル、スタイル、定義名、テーブル、依存関係グラフ、再計算が必要なセルの集合(dirty set)、プロファイル、再計算に必要なエンジン状態を持ちます。バインディングはパース後のバイト列ではなく、このモデルへのハンドルを保持します。
どのホスト環境も C ABI を通じて同じ C++17 コアに届き、バインディングが担うのは値と寿命の変換だけで、計算には関わりません。
どこに何があるか
| 層 | 役割 |
|---|---|
| ホスト API | 言語別 API(JS / Python / CLI / MCP ツール / セル UI) |
| C ABI / バインディング | リソースの寿命管理、ホスト値 ↔ エンジン値の変換 |
| ワークブックモデル | シート、セル、スタイル、依存関係グラフ、再計算が必要なセルの集合、プロファイル |
| パーサ / 評価器 | 関数カタログ、評価器、エラー伝播 |
| ファイル形式層 | OOXML / XLSB の読み込み・書き出し、未対応データの保持 |
| Oracle / 一致検証テスト | Excel 由来の正解値、実行環境間の一致 |
コアはワークブック状態・数式の意味論・ファイルの読み込み・依存関係の追跡・再計算を担当します。バインディングはホスト値の変換とリソースの寿命管理を担い、計算挙動には関与しません。
評価器は、リリース・開発・テストビルドで共通です。すべての実行環境が同じコアを介して利用します。
なぜ分けるか
- 共通の意味論: プロファイル、入力、時計、乱数の設定をそろえると、共有コアが同じ計算結果を返します。
- 組み込み: コアは Node / Python / ブラウザの前提を持たないため、同じ C++ ソースから各環境向けの成果物をビルドできます。
- テスト: Oracle テストは共通エンジンの計算結果を検証します。型変換やリソース管理など、各バインディング固有の処理はパッケージのテストで別途検証します。